【年末特集】2017年、ぬい撮り界はどう変わったか?キーワードは「インスタ映え」と「ちょっこりさん」

みなさんこんにちは、ぬい撮りコラムニストの"ゆりりーぬ"です。


2017年も残りわずか。私はいつものように、ぬい撮りの年賀状やカレンダーを作ったり、1年間で撮りためた写真を振り返ったりと普段通りの年末を過ごしています。


毎年やってきている趣味を今年もやっているだけの年末なのですが、「ぬい撮り」という観点に関して言えば、2017年は世間的に大きな動きがあったと言えるのではないでしょうか。


私としても、テレビ番組や出版社さんのWebサイトで「ぬい撮り」の魅力を伝えるお手伝いをする機会に恵まれるなど、例年では考えられなかった「ぬい撮りムーブメント」が起きた年だったと感じています。


今回の記事では、「インスタ映え」「ちょっこりさん」、そしてそれに伴う「メディア・広告の変化」の3つの視点から、2017年のぬい撮り界が2016年までとどう変わったか、そして私は今後どうしたいのか、ぬい撮りファンのひとりとして振り返りながら考えてみたいと思います。


1.流行語大賞が「インスタ映え」になるほど、日本中が写真を撮る年だった

世間のSNSブームは至る所で報道されていますが、2017年は特に写真投稿SNSのインスタグラムが人気でした。ITmedia NEWSの記事によれば、2017年10月のインスタ国内ユーザーは2000万人にも上るそうです。2年前の2015年に比べて、約2.5倍のユーザー数なのだとか。


▼流行語大賞「インスタ映え」とは何だったのか 2017年を振り返る(ITmedia)


私が20代の女性というのも影響しているのかもしれませんが、私の周りの人たちは、事あるごとにスマホやデジカメで写真を撮ってる様子を頻繁に見かけました。2017年の流行語大賞に「インスタ映え」が選ばれたのは、実感としても妥当だったと思います。


インスタ関連を扱った記事の中には「自己顕示欲の現れ」と表現された内容のものもありましたが、確かにそういう一面もありつつも、私の周りでは単純にかわいいものに惹かれて撮っていたり、自己表現の手段や交流のツールとして純粋に使っていた人も多かったです。


2.「ちょっこりさん」の発売で「ぬい撮り」という言葉が一気に広まった

そんなインスタ(SNS)ブームの流れの中、2017年の4月、「ぬい撮り」という言葉を大きく世に広める商品が登場しました。


タカラトミーさんから発売された「ちょっこりさん」です。ちょっこりさんは、「SNS時代のぬいぐるみの楽しみ方」というキャッチコピーのもと、「座れる」「ひっかけられる」「物を持てる」の3要素を兼ね備えた「ぬい撮り」用のぬいぐるみとして売り出されました。

(▲私もサリーとマイクのちょっこりさんを持っています。ディズニーランドで撮りました)


私個人としての分析にはなりますが、

●クマやウサギなど、普通の動物のぬいぐるみではなく、ディズニーやスヌーピーなどのキャラクターもののぬいぐるみに仕上がっており、元々ぬいぐるみに馴染みがなかったライト層・おしゃれ層にも浸透しやすかったこと


●おもちゃ業界の中でも影響力の強いタカラトミーさんが、「ぬい撮り」という言葉を強力にプッシュしたこと

…などの要因もあり、ぬいぐるみ業界に加え、流行り物に敏感なメディアも「ちょっこりさん」を足掛かりに、「ぬい撮り」という言葉を取り上げるようになりました。

(▲2017年秋、日本テレビの朝の番組で「ちょっこりさん」を使った撮影術を紹介しました)


3.雑誌やテレビ、Web広告のキーワードにも「ぬい撮り」が用いられるようになった

そんな中、私が普段生活していて、「ぬい撮り」についてこれまでと変化したなぁと感じることは、大きく2つあります。


テレビや雑誌に載る「ぬい撮り」という言葉

1つめは、テレビや雑誌での登場率の高さです。


私はこのブログをスタートして以来、定期的にGoogleで「ぬい撮り」という言葉で検索をかけているのですが、昨年までに地上波のテレビで「ぬい撮り」が扱われたのは、2014年7月、NHKの「あさイチ」のみ。それ以来、約2年半、目立ったメディアで「ぬい撮り」が扱われることはありませんでした。


(※その他、2016年2月発売の書籍「インスタグラムはじめる&楽しむガイドブック」でも少しぬい撮りのコーナーがありましたが、この書籍を出している技術評論社さんはトレンド本というよりは写真ノウハウ本を多く出している出版社さんという認識があります)



「ちょっこりさん」発売後、メディア登場率が急増

ところが、2017年4月の「ちょっこりさん」発売後、「ぬい撮り」のメディア登場率は急増


ありがたいことに私も協力させていただいた、「news every.」や「スッキリ!!」など日本テレビさんの番組では、私の知る限り、2017年4月、5月、10月の3度もぬい撮りが取り上げられています。どれも、SNSやインスタ映えに敏感な人のためのトレンドキーワードとして登場しました。(他局でもそういう番組があったのかもしれません。)


▼真っ先にぬい撮りを取り上げてくださった、news every.さんのサイト(動画も見られます)

【ぬい撮り】にハマるワケ、ビジネスにも

また、単なる不特定多数の視聴者に向けた企画だけでなく、特定の趣味の領域の専門メディアでも「ぬい撮り」が紹介されるようになりました。例えば、ディズニー好き向けの雑誌で「ディズニーランドでミッキーのぬいぐるみをかわいく撮る方法!」といった特集や、アニメファン向けの雑誌で「アニメキャラでぬい撮りしながら東京の観光地を巡ってみた!」といった特集(いずれも2017年秋ごろ)も組まれていました。


※Webメディアになりますが、私もアニメ専門誌「PASH!」さんのWebコンテンツで、ぬい撮りの特集記事を寄稿させていただいたりもしました。


Web広告にも「ぬい撮り」が!

テレビや雑誌の他に、もう一つ驚きなのは、上述のようなWebメディアだけでなく、ツイッターやインスタグラムに自動で上がってくるプロモーション広告などでも、「ぬい撮り」という言葉を多く見かけるようになったことです。


そもそも私がよく「ぬい撮り」という言葉で投稿しているので尚さら、見かけやすくなっているのだとも思いますが、以前ではそのようなプロモーション広告はありませんでした。


こんなものや↓、

(アンドユー、ぜひレビュー記事を書いてみたいけれど、近くのゲーセンでは見かけない…)


こんなもの↓まで流れてくるようになりました。

(普通にぬい撮りをやっているフォロワーさんの投稿かと思ったら、全日空(ANA)さんのプロモーション広告だった!かわいい♡)


悪質投稿にまで使われるレベルに!

また、よくあるインスタの悪質投稿の手口として、写真の内容に関係なくても「#スイーツ」とか「#OOTD("今日のコーデ"の意味)」のような人気ハッシュタグをつけて、多くの人の目に触れるようにする方法があります。


「#ぬい撮り」でインスタを見ている時、この類の悪質投稿(ぬいぐるみさんが全く写っていない投稿)を見かけて、「あぁ~"ぬい撮り"もついにこのレベルのトレンドキーワードにまで成長したのか~」と逆に感心させられるような出来事もありました。


「ぬい撮り」という言葉の広がりを受けて、思うこと

最後に、2017年のぬい撮りムーブメントについて、思うところを記したいと思います。


ちょうど1年ほど前になりますが、2016年の12月、こんな記事を書きました。


【コラム】"ぬい撮り"って言葉、どう思う? モノっぽさが出る違和感に悩んでも、私がこの言葉を使い続けたい理由

記事の内容を3文で要約すると、

"ぬい撮り"という言葉は、自分の大切にしているぬいぐるみの家族をモノみたいに扱う単語のように感じられ、気軽に使うには抵抗がある。


しかし、"ぬい撮り"は必ずしも世間に広く認知されている言葉ではなく、むしろこの言葉を使っている人はぬいぐるみさんを家族のように思っている人ばかり。


「#ぬい撮り」というキーワードは、ぬいぐるみさんを愛する人々をつなぐ"あたたかい言葉"なのだ。

…という内容です。


ところが、2017年、メディアで「ぬい撮り」が大々的に取り上げられるようになり、この図式は必ずしも成り立たないものになってきているかも、と思わされる時があります。

流行語大賞をとるようなレベルには及びませんが、2017年の1年間で、これまでぬいぐるみに興味のなかった様々な層の人々にも「ぬい撮り」の言葉と内容が認知されるようになりました。


その結果、「大人がぬいぐるみをかわいがるなんて変だ」とか「マナーが悪いインスタバエ女子」というような、ぬい撮りを悪いイメージでとらえる人も少なからず出てきてしまったのも事実なのかな、と思います。2016年に書いた上述のコラムの冒頭でも「ぬいぐるみを家族のようにかわいがるのは頭おかしいと思われるかも」、と書いているように、どこか自分の頭の片隅で懸念していた事柄が、メディア露出によって表面化してしまった気がします。


子どもの頃から10年以上に渡って、平和に"ぬい撮り"を楽しんできた身としては、ちょっと残念に思うことも。


ぬい撮りを好きになってくれた方のために、がんばります

でも、こういうメディアに協力させていただく機会をもらうことで、ぬい撮りの楽しさに開眼してくれる視聴者さんがたくさんいたことも忘れてはなりません。


現に、「テレビをたまたま見たのをきっかけに、ぬい撮り用アカウントを作りました!温かい交流が楽しいです!」とメッセージをくださる方や、「ゆりりーぬさんのブログ、すごく為になります!真似したらちょっと写真が上手になった気がします!」というコメントをくださる方もありがたいことに大勢いました。


そうやって私のぬい撮り活動で、あたたかい輪がまた広まってくれたのなら、これからも続けていくしかないですよね^^

私の活動モットーは、

●ぬい撮りの「あたたかい輪」を広めること

●感性で”なんとなく”ではなく、"言葉"を用いた分かりやすい説明をすること

●他の誰でもなく、「持ち主さん自身」に撮影を楽しんでもらえるようにノウハウを共有すること です。


地道で細々とした活動になるかもしれませんが、これまで同様ブログ記事はもちろん、動画なども活用しながら、みなさんの「ぬい撮り生活」がより楽しくなるように、私の経験や工夫をお伝えしていきます。


「ちょっこりさん2号」が出たりして、世間的に大きなぬい撮りムーブメントがあれば、今後もメディアなどぜひ協力したいな。チャンスがあれば、ぬい撮り用のぬいぐるみもプロデュースもしてみたい!(ぬいぐるみメーカーさん、ご連絡お待ちしてます^^)

私だけでなく、ぬい撮りをしているみなさんにとっても、メディアで紹介されることで周囲からの視線が変わったり、ぬい撮りを楽しむ仲間が増えたり、いろいろなことがあった2017年だったと思います。


どうぞ、大切な家族のぬいぐるみさんと一緒に振り返りながら、よいお年をお迎えください。

2018年も、楽しくぬい撮りしましょうね♪


by ぬい撮りコラムニスト "ゆりりーぬ"


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